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あなたの会社は売れるか?~理想のM&Aイグジットを実現するための売却プロセスの考え方〜

前回のコラムでは、M&Aを検討する創業者(イメージとしてはベンチャーの創業者で30代~40代。売却時点で少なくとも50%超のシェアを維持。)の方が、望ましいM&Aイグジットを実現するための基本条件として、営業キャッシュフローで資金上自走できていること(ベンチャー界隈の用語でいえば、バーンレートがカバーされていること)を挙げました。

 

 

そこで今回はその続編として、このような最低条件を満たすことができた会社の創業者が、できるだけ好ましい条件でM&Aを実現するためには、どのような手続きやプロセスを検討すべきか、ということについて、弊社の考え方を述べてみたいと思います。

 

 

売却プロセスは、原則として入札(書面による意見表明を求める)を基本に考えるべき

 

当たり前すぎてすみませんが、やはり結論としては、入札プロセスにすべきというのが弊社の考え方です。もちろん、入札には相対取引に近いものから、完全競争入札まで様々な方法があります。弊社では、準相対取引に近い形(1社ずつ順番に検討してもらうような形式)を想定しており、いわゆるクロスボーダー案件でみられるような完全競争入札は想定していません。

しかし、いずれにしても1社とのみ完全相対で交渉していくことは、創業者にとっても、ステークホルダーにとっても、メリットよりもデメリットやリスクのほうが多いというのが弊社の見解です。

 

 

なぜ入札にするのか

 

入札というと、ただ値段を吊り上げるための強欲な行為として、誠意ある買い手からは忌み嫌われるのではないか、というご指摘をいただくことがあります。また、ビジネスポリシーとして、そういうやり方は嫌いだという創業者の方もいるでしょう。弊社も、ただ短絡的に価格を吊り上げるために、入札にしたほうが良いという考え方ではありません。

 

 

また、極端な話、創業者、およびその血縁者や共同創業者のみで株式を保有していて、外部投資家等の資本参加がない場合は、どんなやり方であれ、創業者の方がやりたい方法で売却が実現すればそれで問題はないと考えます。

 

 

しかし、外部投資家(ベンチャーキャピタルなど)が資本参加している場合は別だと考えます。例えば、一般的なベンチャーキャピタルは、ざっくりいうと10年で4倍(IRR=約15%)という期待収益の実現をLP(ファンドの出資者)に対してコミットしています。預かったお金を10年で4倍にして見せます!とコミットして、資金を集めているわけです。

 

 

投資家は、LPからのこの高いプレッシャーにさらされながら、ベンチャー創業者の人格や夢と希望、そして事業を信じて十分な実績のない会社に投資をしているわけで、そうした期待に少しでも報いるならば、やはりできるだけ公正なプロセスで売却を実現して、支援してくれた投資家に対する説明責任と受託責任を果たすべきと考えます。

 

 

いたずらに値段を吊り上げることが入札の目的ではない(弊社のスタンス)

 

 

ただし一方で、これからさらに事業を成長させていくための頼りがいのあるスポンサーとして、誠意をもって買収を検討していただく買い手候補の方に、入札プロセスを通じてただ値段を吊り上げる強欲経営者のような印象を与えてしまうのは当然避けるべき事態といえます。また、本来的な価値に見合わない高い金額でのM&Aは、仮に実現したそのときはよくても、買収後に過大な成長目標を課され、結果として事業がおかしくなってしまう場合もあります。

ではなぜそれでも入札形式したほうが良いのか。これについて弊社の考えを少し詳しく書いてみます。


 

入札にする理由1:M&Aの条件決定は複雑な連立方程式を解くことと同じ。お互いの思い込みから誤解が生じやすい



M&Aは平たく言えば会社の値段を決める取引ですが、会社の値段(すなわち企業価値)をその会社の状況に応じて、売り手、買い手総合が双方一切の誤解なく納得して合意することはかなり骨の折れる仕事です。経営者のシェア、ストックオプションの発行状況、外部株主の資本参加状況、投資条件(普通株式か、優先株式か、またその条件・内容)等、企業価値に影響を与える変数は多くあります。

また、これに加え、ベンチャーの場合は特に会社の価値に占める創業者の人材価値や技術者等のキーマンの人材価値が非常に大きい場合があります。買い手候補は、こうした経営人材がM&Aをきっかけに事業から足を洗う、または事業意欲をなくしてしまうようなことがあると、会社の価値そのものが大きく棄損するかもしれないと強く懸念します。

 

従って、買収後の経営者やキーマンの処遇については、買収価格と密接不可分の関係性になります。これはどちらかが変わるともう一方が変わるというような、連立方程式の関係になることも多いため、満たすべき条件を明確にして、売り手と買い手の間で誤解や齟齬が生じないように留意する必要があります。

 

 

そのためには、買い手に求める条件を書面に明文化して正確に買い手候補に伝達し、買い手はその条件を明文化して提示し、丁寧に合意を取っていくことが重要です。このプロセスのことを弊社では入札と呼称しています。

 

 

入札にする理由2:大組織の公式な意思は「紙」をもらわないとわからない

 

 

ベンチャー企業の多くは、創業者がある程度まとまったシェアを持っており、意思決定者も多くはないため、意思決定プロセスは比較的シンプルです。しかし、M&Aを検討するような大組織(上場企業など)は、意思決定プロセスも複雑です。


よくあるケースとしては、「私は社長から全権を委任されていて、M&Aの最終意思決定権がある。」という投資責任者でも、実際に投資委員会や取締役会で、社外取締役や管理部門のトップ、または利害関係のある事業部門責任者に反対され、実際に会社として正式に承認プロセスを経たオファーレター(意向表明書)やMOU(基本合意書)を提示することができないケースがままあるということです。これは、M&A責任者がどんなに優秀でも、必ずあり得る事態で、カウンターパートの方の案件遂行能力の優劣とは異なる次元の問題です。



もし、きちんと書面の提示を求めるプロセスを経ていれば、このように担当者の意思と企業としての意思決定が異なり、プロセスが進まないことが明確になるため、このような「ちゃぶだい返しリスク」を避けることが可能です。


しかし、目の前のM&A責任者が「私が全権委任を受けています。私とあなたでどんどん詰めましょう。」といった流れで、なんとなくプロセスが進むと、いざ会社としての公式な意思決定という段階まで来て、いきなりちゃぶ台がひっくり返されてしまうケースがやはりままあります。このような場合、売り手、買い手双方がディールブレイクまでに要した少なからぬ時間とコストが、無駄に費消されることになります。



しかし、あらかじめ、きちんと「紙」を出してもらうプロセスを経ていれば、時間とコストがお互いにかかるようなフェーズ(DD等)まで進む前に、買い手候補の社内に大きな障害があることが早い段階で明確になるでしょう。



入札にする理由3:一定の期間内に結論を出してもらう必要がある




3つめの理由は、やはり期限を切って相手の投資判断を仰ぐ必要があるということです。これは、M&Aのみならずベンチャー投資の意思決定にも言えることですが、投資意思決定というのは非常に大きなエネルギーが必要です。最終的「やる!投資する。買収する。」と決めるのは非常に大きな心理的プレッシャーがかかるため、投資する側はどうしても「もう少しゆっくり、じっくり検討したい。あれも、これもしっかり見極めたい。」というインセンティブが強く働きます。もちろん、売り手側はこうした買い手の事情や意向をきちんと理解し、誠意をもって対応する必要がありますが、かといっていつまでも結論がでないまま時間とコストだけが浪費されていくことは避けるべきです。ベンチャー経営者の時間という最大の経営資源は限られているためです。

 

 

もちろん、入札プロセスの進め方には、コミュニケーション戦略も含め、細かい留意点、ポイントが多くあります。このコラムでそれらすべてに触れることは難しいのですが、特に外部資本を受け入れている創業者は、会社は自分だけのものではない状態にあるわけですから、できる限りステークホルダーの期待に応え得る合理的なプロセスでの売却を目指すべき、というのが本コラムの趣旨で、しかるべきタイミングでの事業売却を目指す創業者の方は、決して憶することなくリターンの最大化を合理的に目指していただきたいと考えます。

 

 

M&Aイグジットについて可能性を検討したい創業者の方で、相談相手をお探しの方がいればお気軽に弊社までお問合せください。初回ご相談(1~2時間程度の面談・電話・スカイプ協議)は完全無料です。




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