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ビジネスにおける「縦パス」理論~営業できないベンチャーはつぶれます~

とかく完璧な人間というのはヨノナカにはおらず、それは起業家でも同様だと思います。テクノロジーギークで、技術に詳しい人、研究開発者、分析が得意なコンサルタント(いわゆるデリバリー領域が強い人)は、対外営業、マーケティング領域は弱いことが多いです。逆に飛び込み営業も辞さない行動力のある人は、えてして技術やサービスデリバリーに弱いものだと思います。

これはスタートアップでも大企業でも本質的には変わらないと思います。営業、マーケに強い人と、技術者が2名でスタートアップを立ち上げると、大体2人の間で次のような問題が生じます。

「早く営業できるもの開発してよ!」

「いいかげんなもの開発できないんだよ!」

この会社が大きくなって、二人の間に1,000人ずつ部下ができたら、これはもう大企業で日々生じている問題そのものになります。人数が多くなると、やれマトリックス組織で解決だとか、能書き系コンサルはすぐそういうことを言いますが、本質的には人の衝突であって、解決できるのは、トップ同士が、常にユーザーを念頭に置いて、異なる領域の互いを尊重し、尊敬しあえるかどうかに尽きるでしょう。(ソニーしかり、ホンダしかり、高度成長期の日本企業のトップはみなこういう尊敬しあえるチームだったのだと私は思っています)

しかしそれでも、やはり真剣であれば真剣であるほど、両者は衝突するものだと思います。では、スタートアップ企業で、(あるいは大企業の新規事業開発部署で)、こうした衝突が起きたとき、結論を出して行動しなくてはならないとしたら、どうするべきでしょうか。

私は、個人的には、スタートアップは、営業ができないと死んでしまう、と思っています。優れたプロダクトを作り、それをウェブサイトにアップしても、それだけでは誰も見てくれません。(当たり前で恐縮です)。HPに流入を促し、認知をあげ、使ってみてもらって初めて、ユーザー体験が生まれるわけで、そこからのフィードバックでさらにプロダクトを磨き上げていくしかありません。これは、いわゆるウェブマーケティングという言われる活動ですが、実態はこつこつと積み上げていく営業に他なりません。

 

さらにいうならば、この活動よりさらに一歩前にあるのが、「顔の見える世界での営業」です。「ちょっとこういうサイト作ってみたんだけど見てくれない?こういうアプリ作ってみたんだけどちょっと使ってみてくれない?」と、お願いできる仲間がどれだけ周りにいるか、もしくは自分で開拓できるか。

私はこれをサッカーになぞらえて、「縦パス」と呼んでいます。ファンになってもらえる仕組みをプロダクト内につくり込んだり、フェイスブックやツイッターでつぶやいたりすることもすごく重要ですが、これはいわば「横バス」です。横パスは、相手チームのディフェンスラインを崩したり、パスの出所を分からなくしたりと、重要な役割をしますが、やはりここぞというときはズバッと縦パスを入れないと、ゴールは生まれない。

縦パスはかなりの確率ではじかれるので、結構心が折れますが、そこでくじけたら何も生まれないわけです。そして、縦パスとは、平たく言えば、「営業」だと思っています。(マーケは、どちらかというと「横パス」です。)
縦パスができない人や組織は、得てして「広告宣伝費を突っ込めばもっと売れるはずだ」という発想になりがちだと感じます。もちろん、広告宣伝は重要ですが、その前に、縦パスを通じて得たファーストユーザーのフィードバックをきちんとプロダクトに咀嚼する過程が繰り返されてからこそ、顧客獲得コストが下がり、広告宣伝効果も高まるのだと思います。

かなりの自戒も込めて、「折れずに縦パスを出し続けんといかんね」という話でした。

ちなみに、この縦パス、横パス理論は、私が尊敬するスーパー会計士、(ハイクオリティのM&Aサービスを自分でデリバリーでき、かつ自分でバンバン売りまくる)の方の理論を参考にしております。弁護士、会計士、税理士等の士業の方は、やはり根っからのデリバリーのプロなので、得てして営業が苦手だと思いますが、中には入院中のベッドの上からウン百万の仕事を受注してしまう剛の者もいるわけで、ヨノナカは広いと思わされます。